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私の家のすぐ近所にはダイナーがある。ダイナーと呼ばれるのはファミリーレストランのような気軽なレストランで、食事はもちろん、パフェ、ゼリー、ケーキ、プティング、パンケーキなど甘いものもある喫茶店のような雰囲気も備えたお店のことだ。アメリカの映画を見ていると、サーモンピンクやミントグリーンの鮮やかな色あいのビニル張りボックスソファーのレストランがよく出てくる、例えばそういうレストランだ。

近所にはこうした店が少ないこともあってか、そのダイナーはいつも多くの人で賑わっている。家族連れ、近所のおばあさん仲間、カップル、友達連れ、色々な年代の人が様々に会話や食事を楽しみとても活気がある。しかし老婦人方のテーブルに並んだお皿をみると、やはりここはアメリカなのだなと思わずにいられない。日本人からすると、とてもじゃないけど一人前には見えない量だ。さすがに量が多いのか、お年寄りは残している人も多い。しかし「持ち帰り」を頼むことは普通の文化なので、食べきれないものは包んでもらって持って帰る人も多い。それにしてもこちらの老人はよく肉を食べていると思う、スーパーでも魚介類の為のスペースは殆どない。食文化の違いを感じさせられる。

 しかし反面、NYではベジタリアンメニューも充実している。ベジタリアンとは肉類を食べない菜食主義の人のこと。肉だけを食べない、肉に加えて魚を食べない、さらに卵類も食べない、さらに乳製品も口にしない、など程度の差はあるが様々な主義のベジタリアンが存在している。宗教上の理由、美容・ダイエットの理由、または健康志向など理由は様々なようだが中には病気にならないために健康的な食事を心がける、という人もいるようだ。何故かというと日本に比べアメリカの医療はとても高額で“よい医者・よい病院はお金で買うもの”という発想が普通である。医療は立派なビジネスなのだ。医者にかからなくても済むように基本的な食生活に気をつける、という発想はある意味とても資本主義的ではないか?とも思う。

 話は戻るがこのダイナー、どれ位の量かというと例えばオムレツを頼むとすると、メインのオムレツは卵3個分+具、これにマッシュポテト、フルーツ、バタートースト、オレンジジュースが付く。更にオプションでパンケーキかワッフルを付けることができるという内容だ。しかもこのお店のお通し(何を頼んでも勝手に出てくるもの)はカップケーキとクラッカーだ。しかも週末のディナータイムはデザートケーキ(かなり立派なサイズの極甘ケーキ)がフリーである。どう考えても炭水化物過多・・・ルームメイトの呉さんと一緒にたまにこの店に食事に行くが、ここの料理の多くは大抵彼女の顔よりも大きなサイズだ。2人でシェアしても食べきれたことはない。もっともこの量が食べきれるようになった時には、私の体型は大きく変わっていることだろう。