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 チェルシーの外れにあるルービン美術館はチベット美術をコレクションしている美術館。静かな通りの一角に、この真新しい美術館はある。ヒマラヤ山脈を中心にインド北部から中国西部まで、広範なチベット文化圏から作品を収集展示している。5階建てのこの美術館はそれ程大きくないが、ゆっくりと作品を見ることができる。

内容は主に16〜18世紀前後の状態の良いチベット宗教絵画を展示している。精緻で美しい作品ばかりだ。

この美術館では今チベット仏教絵画の公開制作を行っている。日本に住んでいたこともあるというペマ・リンジィンさん(添付画像)は東京から日本画の画材を取り寄せて、この美術館内で制作している。彼曰く群青・緑青・朱・黄土などは日本画と同一のものを使っているが、唯一 白色だけは日本画で使う胡粉ではなく、鉱物性のものを使っているとのこと。また基底材は日本では主に絹や紙だが、チベットではコットン(綿布)を使うのだという。しばしの間、制作を中断して頂いて素材や東洋の絵画についての話をすることができ、楽しい時間を過ごす事ができた。この公開制作は数ヶ月続くようなので、近くへ行く機会がある人は是非訪れてみてほしい。

 

Rubin Museum of Art

http://www.rmanyc.org/