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メトロポリタン美術館のあるアッパーイーストからバスに乗り小1時間、ハーレムを横切りさらに奥へと進む。メトロポリタン美術館の分館であるクロイスターズは主に中世欧州の宗教美術を収集展示している美術館である。イタリアなどヨーロッパの4〜5つの異なる修道院を移築、組み合わせて建てられた美術館であるため、その外見はまるで小さな修道院か砦のようだ。

クロイスターズの常設コレクションで最も素晴らしかったのはタペストリーの部屋。一角獣をモチーフとした縦横 約6m×3m程の連作タペストリーは一見の価値がある。また中世のステンドグラスや石棺なども素晴らしい。

この美術館はハドソンリバーを見渡せる小高い丘の頂上にあるため、窓からは河に反射する美しい日差しを眺めることができるし、正方形に区切られた回廊式の中庭で休めば、館の育てている小さなハーブ園の中で遊ぶ小鳥のさえずりを聞くことができる。メトロポリタン美術館・クロイスターズは姉妹館なので片方でエントリーすれば片方は無料(同日に限り)。正直2つを同日中に見るのは楽ではないが、NYの喧騒を離れてちょっと変った美術館に行って見たい方にはお薦めだ。

クロイスターズの立つ丘は丸ごと「フォート・トライオン・パーク」という公園になっているのだが、これはロックフェラーセンターでお馴染みの大富豪ロックフェラー家が元々所有していた土地を整備・開放したもの。この公園は芝生やベンチもよく整備されているので、天気の良い週末にはピクニックランチを楽しんでいる家族連れ、水着で日焼けをしている女の子たち、一人でジョギングや読書をしている人などを多く見かける。

夏季ならクロイスターズが閉館しても2〜3時間は明るいので、美術館を見た後もハドソンリバーの夕日を眺めながら充分公園でのんびりできるだろう。リラックスした週末を楽しみたい人は、ピクニックシートや本など持っていくと尚良いかもしれない。

 

The Cloisters

http://www.metmuseum.org/Works_of_Art/department.asp?dep=7