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東京メトロ・赤坂見附駅近くのニューオータニホテル内には美術館が併設されている。

私は現在開催中の「日経日本画大賞展」を見てきた。隔年開催で今年が3回目となるが、今回は過去2回と比べてガラリと印象が変わったように感じた。新しい日本画の可能性を広げる作品を推奨するという目的を持ち、厳しい審査によって絞り込まれた展示作品はわずか13点。どの作品も充実した仕事ぶりで、お勧めできる展覧会である。〜2006年12/17まで。

 

日本画というと美人画や金地屏風に四季の花などを思い浮かべる方も多いと思う、もちろんそうした作品もれっきとした日本画だが、現代における「日本画」という定義はもっと広がりをみせている。(この展覧会ではないが)時折、展覧会場でこんな会話を耳にする―これは油絵のようだ、漫画のようだ、これも日本画なのか。その通り、現代の日本画は油絵や漫画の影響を強く受け、実験的な作品も多く、一見して分かりにくいものも多いかもしれない。しかしよく考えてみると現代に生きる日本人は、雪舟を知る前にゴッホやルノワールを目にし、鳥獣戯画を知る前にTVのアニメに親しんでいるのだから、そうした現代の土壌を取り入れた現代の日本画が登場するのは自然なことなのだ。

多様化した日本画の作品はそれぞれ、そのまま現在の日本という国の豊かでユニークなバリエーションそのもの。表層的なことに囚われず個々の作品に耳を澄ませば、同じ時代に生きている日本人が何を見て、何処へ行こうとしているのかが伝わるかもしれない。新鮮な感覚で伸び伸びと描かれた作品から、むしろ古典への深い敬意を伴った呟きが聞こえてくることがある。平成の日本画は冒険をしながらも、しっかりと日本の文化を継承していると強く感じる。

 

ニューオータニ美術館

http://www.newotani.co.jp/group/museum/index.html

受賞・出品者についてのニュース記事

http://allabout.co.jp/interest/japanesepaint/closeup/CU20061027A/