紅い花

 

この夏は猛暑続きで、炎天下のスケッチは非常に厳しいものでした。

それでも描きたくて、この植物の元に何度か通いました。

 

この花は紅蜀葵(コウショッキ)。

冬は地上部が枯れて 全く痕跡が無くなってしまうのに、

じわじわと暑さが増してくると爆発的に成長します。

やがて草丈2mほどになり、

赤紫色の茎に、フヨウやハイビスカスに似た紅い花をたくさん咲かせます。

 

朝に開き 夕には萎んでしまう“一日花”ですが、

どんな猛暑でも 毎朝 新しい花を咲かせ続ける様子は生命力に溢れています。

オリエンタルで どこか野趣のある風貌も魅力的です。

 

 

ところで紅蜀葵の“蜀”は三国志に登場する「蜀」の国(現在の中国四川省)のこと。

蜀は織物産業が盛んで、

赤色と幾何学的な文様が特徴の「蜀紅錦」は
高品質で人気があり、貴重なものでした。

紅蜀葵にこの文字を当てた人は、

紅い織物の高貴な美しさと 紅い花の鮮烈な美しさ、

それぞれに高い価値と共通点を感じたのかもしれません。