新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、昨日 東京で桜が満開となりました。
現在、集会・イベントに自粛要請が出されており、お花見もできない状況ですが、
それでも桜の木の下を行き交う人々の表情は、心なしか明るいものに感じます。
さくら色は人の心を和らげ、夢を見せ、前向きになる力を与えてくれるのかもしれません。
古今和歌集に「さくら色」の語が出てくる歌があります。
つかの間の桜花の季節をなんとかして留めたい、という気持ちに共感します。
「さくら色に 衣はふかくそめてきん 花のちりなん後のかたみに」 (紀有友)
またこちらの歌は異なる種類の桜が混在し、
様々な色合いの「さくら色」が立ち上がってくるようで、想像を掻き立てられます。
「春霞 色のちぐさに見えつるは たなびく山の花のかげかも」 (藤原興風)
桜には数百もの種類があり、色合いも様々。
淡い紅色の山桜、美しい形と香りを持つ大島桜、大ぶりで豪華な印象の里桜、
流れる枝に小ぶりの花が優雅な枝垂桜、うつむいて鐘形に咲く濃い紅色の寒緋桜、
陽射しを受けて不思議な色に輝く薄い黄色の鬱金桜、、、
どれも個性豊かです。
これから1か月ほどは、開花時期の異なる様々な桜に出会えます。
衛生管理に気をつけながらも つかの間の春を楽しみたいものです。
※日経アートさんの「桜セレクション2020」という企画にて、
私の描いた「桜花譜」という作品をご紹介いただきました。
日経アートHP 及び 日経新聞の広告(3/15)などにも作品が掲載されています。
この絵はオリンピックイヤーにちなんで5種類の桜を構成した作品です。
関西に多く自生するヤマザクラ、京都で多くみかけるフゲンゾウ、東北で印象的だったシダレザクラ、沖縄の春を代表するカンヒザクラ、珍しい色合いのウコンザクラ。どれも日本で昔から大切にされてきた桜たちです。
本来は咲く土地も時期も異なりますが、絵の中で共存して欲しいと思いました。
それぞれの美が それぞれを輝かせるような、多様性の時代ならではのお花見を楽しんで頂ければ幸いです。
他にも色々な作品がありますので、ご興味のある方はご覧ください。
日経アートHP https://art.nikkei-ps.co.jp/feature/newspaper/1139/
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